主要企業のリクルーター制

2011.12.23

学生について言えば、就職活動期間が短いという事は、企業や仕事について充分な情報を集められず、充分にそれを考え抜く時間が無いという事を意味する。最近の学生は、仕事についての考えが甘いという批判があるが、自分の人生の大きな部分を左右する就職についての情報収集や思考の期間がこのように短く制限されていれば、彼等が自分の職業人生について深く考えようとしてもおのずから限界がある。しかも、かりに自分の職業や会社の選択について深く真剣に考えていた学生がいたとしても、就職協定下の一斉横ならび採用の下では、あたかもラッシュアワーに混んだ電車に皆が一斉にかけ込むのに似て、個人個人のそうした深い努力はしばしばあまり意味を持たない。

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その学生がある企業への就職を真剣に考えていたとしても役に立たない事が多い。なぜなら、多くの主要企業はいわゆるリクルーター制を内部に持っており、リクルーターである数年前の先輩が自分の後輩についての情報を集めて人事部へ提供するという慣行が行われているため、結局似た者同士の金太郎飴型の人材選抜が行われやすく、個人の特性はそれほど深く考慮されずに採用が行われてしまう傾向があるからである。そうであるとすれば、学生にとっても自分の職業生活をそれほど真剣に深く考えてもあまり報われないから、学生はむしろ適当に世間の流れにまかせて要領よく立ち廻りリクルーターの好みに合わせて受動的な選択をするようになる。そしてその方が学生にとっても長い期間情報を集め、研究し、考え抜くといった苦労をしなくて済むから楽なのである。しかし、その結果、横ならびの個性のない就職が行われるようになることはいうまでもない。