差別や暴力との闘いに費やすエネルギー

2011.12.16

ジェンダーの視点は、差別と暴力による被害から逃れて立ち上がり、未来をつくる力を手にするために必要な人間のエネルギーの重要性をも提起する。差別や暴力との闘いに費やすエネルギーをもっとほかのことに振り向ければ、社会はもっと平和になり、一人ひとりが尊重されるようにつくり替えられていくだろう。この闘いに人々が振り向けてきた力は、一人ひとりが、差別と暴力を受けることを恥とするのではなく、差別や暴力、貧困に人々を追いやる社会の構造を理性的にとらえて自己の正当性を確信し、そうした状況からの解放のために現実の壁に向かって働きかけるものであり、それは歴史の胎動を形成するエネルギーの源ともなってきたはずである。

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他者と手をつなぐことは、自己を客観化する契機となることであり、かけがえのない社会的な存在として大切にされてしかるべきだという確信につながるものではないだろうか。一人ひとりの働き手の可能性を現実の力に変えるもの、それが今日的な時代の転換点に求められるものであり、未来に希望をつなぐ営みである。未来があるからこそ、前向きに挑戦することができる。非正規雇用で働く人たちは差別と貧困とに堂々と向き合う誇りを持てればいい。正規雇用で働く人たちは、貧困化と二極化に対し、自分自身の問題として、場合によっては自分たちに配分されてきた原資を削減してでも、非正規雇用で働く人たちの待遇改善を決断すればいい。そこで手をつなぐこと、連帯の輪を働き手から消費者などに広げて働きかけることだ。